その定期健診、本当に正しいですか?
症状がよくならないのはなぜ?
日々の診療で多くの患者さんからよくお聞きするのが、 「定期的に歯科医院を受診しているのですが、どうしてだんだん悪くなっていくのですか?」 というお話です。
ここで言う「定期健診」、「メインテナンス」、「リコール」という言葉はどういう意味でしょうか? 日々、私が多く目にするのは虫歯治療はちゃんとしているが、歯周病治療が完治しないままで、 検診になっている患者さんなのです。
中には、「歯周病は治らない」という先生もおられるようです。しかし、歯周病専門医である私の考えは 違います。歯周病は大きく分けて軽度、中度、重度の3つに区分することができます。
歯周病の分類と治療法
病状 治療法
健康 維持療法(メインテナンス)
軽度 歯周基本治療(歯ブラシ指導、歯石除去、咬み合わせ治療など)
中度 専門治療(歯周組織再生療法、歯周形成外科手術など)
重度 抜歯
この表を見れば明らかなように、健康ならばメインテナンス、軽度は基本治療で治り、中度は専門治療で 治り、重度は抜歯をすれば、その患者さんには歯周病の歯は存在しなくなります。
一般的には、中度に対して専門治療がなされず、重度の歯も抜かないで放置したまま、「定期健診」と 言ってずるずると時間がたつので、これでは治るどころか、どんどんと病状が進行するのは当然です。 そこで私たち歯周病専門医の仕事を整理してみると、
- 1.「中度の歯に対して再生治療などの専門治療を行う」
- 2.「重度の歯には、ダメなものはダメであるとしっかりと患者さんに説明し、次善策を考える」
という事になります。
ここで言う「次善策」こそが、歯を失った所にインプラントを入れることなのです。 ですから、欧米の歯周病専門医は「歯周治療とインプラントが両方できる」ことが条件となります。
ここでもう一度、確認します。
- 1.歯周病は治ります。
- 2.定期健診(メインテナンス)は治った患者さんが受けるものです。